今月の特集

【12月の特集】
   なぜなぜ分析がうまくいかない理由

改善活動において問題の発生原因を追究する「なぜなぜ分析」のスキルがとても大切です。
しかし「なぜなぜ分析」をうまく行えるようになるのはとても難しいと言われています。
今月の特集は「なぜなぜ分析」が難しいと言われる理由とうまくやるためのポイントについて解説します。


なぜなぜ分析が難しい理由

なぜなぜ分析は、製品の不良、設備故障、設計上のミスなど企業におけるさまざまな問題の原因を追究する手法として知られています。
歴史的にみるとトヨタで問題を発生させている本質的な原因を追究するために「なぜを5回は繰り返してみよう」といった活動のやり方が全国的に広まったものです。

実は、なぜなぜ分析は分析の手法としてのやり方を細かく決めているわけではありません。
真の原因にたどり着くまで、「なぜ」を繰り返そうといった「心構え」「取組み姿勢」をいっているといえます。
このため「改善に慣れた人」と「そうでない人」では異なる原因追究となることはよくあることです。

例えば、不良の発生原因の追究で、改善に慣れていない人は、
・設備を操作を誤ったったから
--->担当者のスキルがないから
----->担当者の学ぶ姿勢がないから
といった「人の責任」「人が悪い」といった分析をしてしまうのです。

改善に慣れた人にとっては、この例示した分析は「良くない分析」と捉えます。
しかし、「なぜ」を3回も繰り返し不良の真の原因を導き出だそうとしているにもかかわらず、なぜ「良くない分析例」だと言えるでしょうか?
最終的に導き出した「担当者の学ぶ姿勢がない」ということが、不良の真の原因ではないのでしょうか?


「なぜなぜ分析」は客観的な分析ではない

真の原因を追究すると言われると、客観的に分析を行うことが大切だと考える人が多いと思います。
実はうまい分析をするためには、意図的に分析を行うことも必要です。

意図的とは何かといえば「より良い改善策につなげる」という意図のことです。
例示した「担当者の学ぶ姿勢がない」という原因に対する改善策は、「人に対する意識づけ、スキルアップ教育」といった対策になることが予想できます。
しかし、人はいくら意識・スキルを高めてもミスをゼロにすることは困難だと考えることが一般的で、不良の再発防止という観点では十分な対策でありません。
結局、不良の原因を「人の意識」「人のスキル」に持って行ってしまうと、良い対策につながらないというわけです。

この例の場合、不良を再発しないようにするためには「設備の操作ミスをしないような対策」「設備の操作なしで製品製造ができるような対策」「ミスをしても不良にならないような対策」が求められます。
このためには「操作ミスの発生する原因」といった視点で「設備の操作性」や「手順」に力点をおいて「なぜ」を繰り返していくことが重要です。


「なぜ」にこだわらない分析が必要

「なぜなぜ分析」というからには、「なぜ(Why)」で分析すると考えている人がほとんどではないでしょうか?
実は「なぜ(Why)」の前に、「どこで」「どんなケースで」を追究することが必要です。

具体的には「どのプロセスで」「設備のどの部分で」「刃具がどんな状態のときに」「原料がどのような状態のときに」その問題が発生しているのかを追究するということです。
つまり、不良などの問題が発生する際の状況や条件を追究することが大切であるということです。
これは「なぜ(Why)」という問いかけより、「どこで(What)」「どんなとき(When)」といった問いかけの方がしっくりくると思います。

例示した不良の例では、最初に「設備の操作ミス」を原因としていますが、「不良が設備のどの部分で発生しているのか」とか「原材料がどのような状況のときに不良が発生しているのか」といった見方をすると、実は「操作ミスげ原因」とはならないこともあり得るのです。

▲ページトップに戻る