今月の特集

【7月の特集】
中小企業の組織風土についての所感

中小企業の場合、組織風土の良い企業と悪い企業と2極化しやすいように思います。
2極化する理由について語ってみたいと思います。


そもそも良い組織風土とは

中小企業では、組織風土の良い企業と悪い企業と2極化しているといいましたが、そもそも良い組織風土とはどのような風土なのかといった前提から語りたいと思います。

良い組織風土とは、社員が顧客のために自律的に行動する風土です。
具体的には、顧客のために工夫をする(決まりきったサービスでなく、目の前のお客様にあった対応を考え行動する)とか、改善活動を自律的に行うとか、自己啓発を自律的に行うといった行動です。
また、後輩の育成やマニュアル類の整備など組織への貢献についても自律的に考え、実践する社員が多いといった組織風土です。


中小企業の組織風土が2極化する理由

この答えはシンプルです。
組織風土に最も影響を与える要素が、組織のトップである人の発言・行動・態度だからです。
中小企業の場合、「社員の数が少ない」もしくは「部門の数が少ない」ので企業のトップである経営者の発言・行動・態度を社員が直接見聞きします。
見聞きするだけでなく、直接指示を受けたり、注意を受けたりします。

大きな企業の場合には、社員の数も部門の数も多いため、社長の発言・行動・態度を直接見る機会は少なくなります。
一般の社員からすると、上司(管理者)の発言・行動・態度に影響を受けやすく、異動などで上司がしばしば変わります。
また、管理者が多いと人によって発言・行動・態度はさまざまなので、極端な風土にはなりにくくなります。


良い風土の経営者と悪い風土の経営者

では、良い組織風土の企業では経営者はどのような発言・行動・態度をしているのでしょうか?
良い組織風土の解説で推測できると思いますが、社員に自律的な行動を推奨する経営者でなければなりません。
そのためには、次のような発言・行動・態度を常にしています。

  • 顧客のため、組織のための行動の価値を伝える
  • 社員を信じる(任せる)
  • 失敗の責任は経営者の責任

一方、悪い組織風土の企業の経営者は、次のような発言・行動・態度をしています。

  • 業績や目標達成を最重要と伝える(顧客や仲間は二の次になりやすい)
  • 社員を信じない(細かくチェックし、指導ばかりする)
  • 社員の失敗を許さない(責任を社員に押し付ける)

そして多くの経営者が、上記の良い方か悪い方のいずれかに偏る傾向があると思います。
ですので、中小企業の組織風土は2極化しやすいということになります。


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