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組織風土改革に関する用語解説

組織風土改革では、言葉の曖昧さがさまざまな弊害を起こすことがあります。言葉の定義をしっかり理解し、また、あいまいな場合にはしっかりと定義して、関係者の中で共通認識をしておくことが大切です。
例えば、「現場力向上」「自律型組織」「働きがいのある組織づくり」など、活動の呼び名で印象が異なりますが、ほとんどの場合、目指す組織の状態は同じです。
しかし、言葉の印象から「打ち手」がいろいろ検討できるため、次第に何をしたいのかが分からなくなってしまうということが多いようです。

用語解説は随時追加・更新していきます

あ行 | か行 | さ行 | た行 | な行 | は行 | ま行 | や行 | ら行 | わ行


あ行

言える化

言える化とは、「職場においてどんなことでも遠慮なく発言できる環境をつくること」をいいます。

多くの社員は、仕事のやり方に対する不満、職場環境に対する不満、これかやる仕事への不安などを持っています。
優秀な経営者や管理者は、個人が抱える不満や不安は、会社や職場で取り組むべき「仕事や職場の改善ネタ」と認識し、とにかく「言ってもらう」ということを重視しています。
社員の不満・不安を改善ネタととらえ、組織的に対策をすることを繰り返していくことで、職場・企業全体が強くなっていくのです。

言える化を推進するためには、組織的な上下関係よりもフラットな関係を重視し、「言いやすい環境」づくりがポイントとなります。
会議の場だけでなく、いつでも相談できる雰囲気であったり、ホワイトボードや付箋紙などを活用してなんでも書ける環境づくりも一つの手段です。
不満・不安だけでなく、改善などの提案なども積極的に言ってもらえる環境を目指します。

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か行

価値観・行動指針

価値観とは、「物事を評価する際の基準とする、何にどういう価値を認めるかという判断」、行動指針とは「どのように考え、どのように行動するかの基本となる方針」で、企業理念の重要な構成要素のひとつです。

価値観・行動指針に掲げた内容を意識し、実践できれば、企業ミッションを果たし、企業ビジョンを実現することができるはずだと信じる判断基準で、企業に属するすべての人(経営者だけでなく、すべての従業員)が自社の仕事をする際に、常に意識し重視すべきものです。
企業によって内容はさまざまですが、代表的なものとしては、次のようなことが書かれています。

  • お客様第一
  • 新たなことに積極的にチャレンジ
  • チームワークを重視
  • 責任をもって主体的に行動
多くの企業では、価値観と行動指針を区別せず、いずれかを企業理念に設定しています。
まれに、価値観と行動指針を両方設定している企業があります。その企業では、行動に直結するような判断基準(例えば、積極的にチャレンジ)を行動指針とし、行動には直結しない判断基準(例えば、お客様第一)を価値観と区別しています。

また、提供価値と価値観を混乱してしまうケースも多いようです。
提供価値は、あくまでも自社が顧客や世の中にどのような価値を提供するかを示しているもので、社員が行動する際の判断基準ではありません。

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企業理念

理念とは、「ある物事に対するこうあるべきだという根本的な考え方」のことです。そして、企業理念は「企業でのこうあるべきだという根本的な考え方」ということになります。

この企業理念は、企業によって経営理念、企業ビジョン、価値観、信条・・・など、さまざまな呼び方をしており、また、その内容や範囲もさまざまです。
このため「企業理念とは」の定義自体も明確には定まっていないのが実態です。ちなみに、米国でも定義があいまいで、企業理念にあたるものを「ミッションステートメント」と呼んでいます。

組織風土改革の視点で定義をするならば、「企業に属するすべての人が、常に意識し、実践しなければならない考え方や価値観」です。
そして、企業理念に含まれる内容は主に、

です。
本来は、経営者、社員、だけでなく期間雇用の従業員、取引をする関係者もその会社の仕事に関わる時間は、最も重要な理念として常に認識しなければならないものです。

このように定義すると、経営理念は企業理念とは明確に別のもとして区分できます。経営理念は「経営のために、常に意識し、実践しなければならない考え方や価値観」であり、社員が意識すべきものではないからです。

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共感

組織風土改革においては、「理解」「納得」「共感」の違いを知って活動しなければうまくいきません。
共感とは、「他人の意見や感情などにそのとおりだと感じること。また、その気持ち。」のことで、組織風土改革において極めて重要な言葉です。

組織風土改革では1人でも多くの人が意識と行動を変えてもらわなければならないのですが、「理解した」とか「納得した」といったレベルでは本気で自分の意識や行動を変えようということにはなりません。

組織風土改革に対して、もしくは組織風土改革を推進する人の言うことに対して、「共感」してはじめて自分の意識や行動を変えようと思うレベルになるのです。

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経営理念

理念とは、「ある物事に対するこうあるべきだという根本的な考え方」のことです。そして、経営理念は「経営においてこうあるべきだという根本的な考え方」ということになります。

つまり、経営理念はあくまでも経営者が重視すべきものであって、社員に浸透させるべきものではないのです。
しかし、企業によっては経営理念だけで、企業理念がない場合があります。
このような企業の場合、経営理念のうち、社員にも浸透させるべき部分を明確にして、経営理念を浸透させたり、別に企業理念をつくる必要があります。

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現場力

現場力という言葉の意味には、2つのケースがあります。
ひとつは、業務品質、業務効率、業務スピード等の現場と呼ばれる職場で評価される指標の値が高いといった「結果」から見える力です。
もう一つは、現場と呼ばれる職場で「与えられた仕事をしっかりやる」、「問題が発生したら自ら改善する」、「自ら問題を見つけて改善する」という「行動」する力です。

「結果」を重視した現場力の場合、その結果を生み出す「行動」は限定していないため、強制的に改善をやらせていたり、目標数値達成のために厳しく管理されている職場も含まれます。
一方、「行動」を重視した現場力の場合、自ら問題を見つけて改善する担当者が多いという状態をいうので、強制的な改善指示が出ていないことを暗に意図しています。

実際のところ、この2つのケースを明確に区分して「現場力」という言葉を使用しないため、この現場力という言葉を使用した人の真意を確認しなければ大きな誤解が生じることがありますので、注意が必要です。

ちなみに、「行動」を重視した現場力は、社員が自律的に改善や提案をする現場組織とほぼ同じことを意味しています。

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さ行

さしすせそマネジメント

自律型組織を実現するための組織マネジメントの手法

さ:先を示す(組織の目指すベクトルを浸透する)
し:自律力を高める & 信頼関係を高める
す:好きなことでチャレンジさせる
せ:責任から逃げない
そ:その場に留まらない(常に成長を意識する)

自律型組織を実現するための組織マネジメントの要点を示しています。
そして、その実現のための手法は、

・GIコミュニケーション
・見える化
・場づくり
を日ごろがら意識し、工夫しながらレベルアップを図ることが大切です。

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自律

他からの支配や助力を受けず、自分の行動を自分の立てた規律に従って正しく規制すること
と辞書では解説されています。
この言葉には、自分の中に2人の自分が存在することを暗に示しています。
・楽したい自分
・正しく規制しようという自分

自分の中にいる2人の自分のうち、正しく規制しようとする自分が、楽したい自分に勝ったとき、自律できているということになります。

例えば、朝起きたときに「眠くて起きられない」、「会社に行きたくない」と楽したい自分が現れたとします。
しかし、正しく規制しようとする自分が、「きちんと始業時間には会社に行かなければダメ」と自分の立てた規則に従って楽したい自分を規制しようとします。
この葛藤の結果、正しく規制しようとする自分が勝り、始業時間に間に合うように起きることができれば、そこに自律があったということになります。

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自律力

自律は、ある行動に着目し、正しく規制しようとする自分楽したい自分を統制した行動であれば、自律できているといえます。
つまり、「朝、眠くても遅刻せずに出社した」といった行動は、自律できているということになります。

自律力は、行動ひとつひとつで判断するものではなく、個人や組織が持つ自律のレベルをいいます。
例えば、遅刻せずにあたり前に出社できるレベル、会議には必ず時間までに全員が集まるレベル、改善はあたり前に行うレベル・・・といったことです。

組織風土改革は、組織全体の自律力、個人の自律力を向上させる改革といってもよいでしょう。

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信頼関係

サラリーマンは、「自分の努力を正しく評価してくれない」とか「目立つことをすると悪く評価される」といった不満や不安がチャレンジや提案という行動を避け、指示された仕事に集中してしまうという傾向があります。

企業風土改革においては、企業理念で掲げている方向性や価値観に沿って努力していれば、目立つ行動でも失敗しても悪く評価されないという保証が必要であり、さらには正しく評価さらるようにならなければなりません。

このために、口に出さなくても「企業理念で掲げている方向性や価値観に沿って努力している」ということが、上司、同僚等すべての人に分かってもらえると信じられる関係性の構築が重要です。

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組織風土

組織の歴史の中で形成された独特の価値観や行動様式であり、組織のメンバーに共通している価値観や信念、思考プロセス、これらに基づく行動等のことです。

例えば、「会議ではあまり発言する人が少ない」という会社では、組織の中で「目立つことがいやだ」と感じている人が多いとか、「組織の中で目立つことが悪である」と思っている人が多いといった組織風土ということです。

この例で、「目立つことがいやだ」と感じている人が多い組織の場合、「本来は、会議で意見を活発にすべきだ」という考え方があるにも関わらず、実際には、恥ずかしいなどの理由でできないということです。
このような組織での組織風土改革は、自分たちが「やるべき」と考えていることをやるという改革を行えばよいので、行動しやすい環境づくりがポイントになります。

一方、「組織の中で目立つことが悪である」という価値観を持っている人の多い組織では、「会議で活発に意見を交わすことが大切である」という価値観を変えなければならず、組織風土改革のハードルが高い組織です。
つまり、組織の多くの人が「正しい」「常識だ」と考えることを変えなければならないというハードルが加わります。
このような組織の場合には、めざす組織像の定義をなるべく具体的に設定し、その合意形成からスタートしなければなりません。

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た行

多様性の尊重(ダイバーシティ)

日本の多くの企業で「多様性の尊重(ダイバーシティ)」の活動というと、女性の労働環境改善という活動になっているようですが、少し違和感を感じます。

多様性の尊重とは、人と人との違いを認め合いながら、その違いをうまく生かすことです。
立場の違いから有利・不利をあぶり出し、不利な立場の人が主張をして、会社に改善を求めるという活動は、「多様性の尊重」とは異なります。

組織風土改革においては、企業理念で掲げる方向性や重視する価値感を全社員に浸透させます。
これは「チャレンジしよう」とか「立場を越えて協力しあう」といった基本的な価値観なので、このレベルで多様性を尊重することはありません。

しかし、方向性と重視する価値感に沿っているならば、手段は無限大です。
企業に属するさまざまな人の多様性を生かし、さまざまなチャレンジが生まれるようにし、そのチャレンジを生かして新たな事業を生んだり、既存の事業をより良くしたいのです。
組織風土改革を成功させるためには、多様性の尊重は重要な要素です。

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提供価値

提供価値は、企業理念の構成要素のひとつで、企業が顧客や世の中に対して、どのような価値を提供するのかを言葉にしたものです。
つまり、企業ミッションを少し具体的に解説した言葉ととらえるとよいでしょう。

企業理念にしっかりと提供価値を明記している企業はそれほど多くありません。
しかし、企業ミッションは抽象的な表現であるために「よく分からない」という印象を与え、社員になかなか浸透しにくいものです。
そこで、企業ミッションを少し具体的に説明するという位置づけで、顧客や世の中にどのような価値を提供するのかという「提供価値」を掲げることによって、社員にとって企業ミッションの意味や意義が理解しやすくなり、企業理念の浸透がしやすくなるという効果があります。

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な行

納得

組織風土改革においては、「理解」「納得」「共感」の違いを知って活動しなければうまくいきません。
納得とは、「他人の考えや行動などを十分に理解して得心(承知)すること」と国語辞典では解説されています。

組織風土改革について説明をした際、相手に「納得してもらうこと」はとても重要ですが、それではまだ足りません。
「納得できるけれど、共感はできない」という言葉があるように、相手が「共感」してくれていなければ、組織風土改革に参加してくれないのです。
この状態は、「あなたの説明は理解したし、気持ちもわかる。しかし、私の気持ちはまだあなたの気持ちとは一致しない」という状態だからです。

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は行

働きがい

国語辞典には、「働くことによって得られる結果や喜び」、「働くだけの価値」と解説されています。
一般に、「働かなくても給料がもらえるとありがたい」とか、「給料をもらうためには働かなければならない」というように、働くことにネガティブな表現をする場面が多い中、「働くことへの喜び」とか「働くだけの価値」というポジティブなとらえ方をすることは難しいかも知れません。

そこで、弊社では、働きがいの定義を「働くことを通じて感じられる生きがい」としています。

この定義をすると、生きがいを感じられることがなければ、働きがいも感じられないということになります。
生きることに一生懸命の人は、仕事も一生懸命です。その逆に、生きることをあまり意識していない人は、仕事もそこそこしかやらないという傾向があります。
働きがいを高めるためには、職場の不満解消をしてもあまり効果はなく、それぞれの人の生きがいを意識させることが重要ということです。

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ビジョン(企業ビジョン)

ビジョンは将来の構想を意味します。
企業ビジョンは、企業の将来の構想を意味していますが、簡単な表現をすると、企業としての中長期的な状態目標です。
企業ビジョンの代表的な表現として、「リーディングカンパニー」や「最も信頼される企業」といったものです。

企業ビジョンは企業ミッションと同様に企業理念の構成要素の1つです。企業によっては企業理念を企業ビジョンと呼んでいるケースも少なくありません。
企業ミッションは、使命や存在意義を意味するものですから期限はありませんが、企業ビジョンは中長期的な状態目標ですから本来は5年や10年といった期限を持っています。この期限を明確にしている場合もありますが、ほとんどの企業では期限を明確にしていないというのが実態です。

企業理念の中にビジョンを含んでいない企業もありますが、ビジョンは必須というものではないので、必ずしも見直す必要はありません。

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ま行

ミッション(企業ミッション)

ミッションは使命、存在意義を意味します。
企業ミッションは、企業の使命、存在意義を意味し、企業活動を通じて、世の中にどのような貢献をするのかという内容を示します。

企業ミッションは企業理念の根幹ともいえる中心的位置づけであり、市場での競争が厳しい時代だからこそ重要な項目といえます。
つまり、企業ミッションは、企業の使命、存在意義を意味していますから、ミッションを果たせなければ、存在意義がないということであり、企業が倒産しても当然だといえます。
一方、企業ミッションを十分に果たせる企業は、存在意義を十分に満たしていることであり、世間の人からみると存在してもらいたい企業ということになるのです。

企業理念の中にミッションを含んでいない企業もあります。
そのような企業の場合には、企業理念を見直すことを検討しましょう

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見える化

見える化とは、職場のメンバーに意識してもらいたいことを常に見えるような状況をつくることによって、強い職場を実現しようとするものです。

見える化には、大きく2つの活動があります。
ひとつは、「見えていないものを見えるようにする」という活動です。
たとえば、商品に対する顧客の印象が把握できていないという際に、顧客満足度調査を行て満足度を数値にしたり、顧客のコメントを共有したりするというものです。
これは、定量化、明文化(文章化・図形化など)と呼ばれます。

もうひとつは、「もともとある情報を目に入るようにする」という活動です。
たとえば、部門の目標を大きなポスターにして、目立つところに掲示したり、企業理念を各自のパソコンのスクリーンセーバーに設定したりするものです。
社員が情報を見に行くという行為をしなくても、目に入ってしまうという状況をつくって、常に意識してもらえるようにするのです。

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ら行

理解

組織風土改革においては、「理解」「納得」「共感」の違いを知って活動しなければうまくいきません。
理解とは、「意味、内容をのみこむこと」と国語辞典では解説されています。

組織風土改革について説明をした際、相手に「理解してもらうこと」はとても重要ですが、それではまだ足りません。
相手が「理解はしたが、納得できない」という状態であれば、組織風土改革には全く参加してくれないからです。

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わ行

ワークライフバランス

平成19年12月18日、関係閣僚、経済界・労働界・地方公共団体の代表等からなる「官民トップ会議」において、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」・「仕事と生活の調和推進のための行動指針」を策定され、国をあげて推進する活動となっています。
「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」において、調和のとれた社会とは、「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」と定義されています。

企業におけるワークライフバランスの取組みは、「労働時間」ばかりに視点がいき「残業削減の活動」にがなっていることがほとんどです。
具体的には、「強制的に帰ってもらう」とか「仕事の予定や進捗管理を徹底して早く仕事を終わらせてもらう」という活動です。

ワークライフバランスでは、「やりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たす」ということが重要であるにも関わらず、会社でこのような残業削減策が実施されてしまうと、社員にとっては「会社の指示で帰らさせられている」とか「会社の管理のもとで仕事をやらさせられている」という意識が強くなり、「やりがいや充実感」を失うばかりか、「責任逃れ」に走ってしまうことになります。

ワーク(仕事)とライフ(生活)は、本来バランスをとるものではなく、「生活の中に仕事がある」はずです。
大切なことは「生活の中で仕事をうまく位置づけること」です。
これができると「仕事によって人生が充実する」と思え、仕事そのものに「やりがいや充実感」を感じることもでき、さらには「自分の責任」で仕事が遂行できるようになるのです。
加えて、自己責任において労働時間もコントロールできるようになるのです。

「生活の中で仕事をうまく位置づけること」ができるようになるためには、「自分がどのように生きるのか」を本気で考え、一生懸命生きようとする力がなければなりません。
この力が自律力といってもよいでしょう。

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