HOME > 組織風土改革の考え方 > 自律型組織実現のための4つの改革

自律型組織実現のための4つの課題を解決するためには、組織として取り組むことになります。その中心は組織をマネジメントする管理者や経営者であり、管理間接部門の人たちです。いわゆる人や組織のマネジメントを改革できるかが勝負です。

マネジメントの改革・・・さしすせそマネジメント

図1 これまでのマネジメントは「指示をする」、「指導する」、「評価する」、「教育する」といった手段を中心に社員をコントロールしようという考え方が主流でした。
これらの手段は、社員から見るとすべて「指示を受ける」、「指導を受ける」、「評価を受ける」、「教育を受ける」といった「受け身体質の強化」につながり、社員の自律力を弱めてしまいます。

めざす組織を実現させるためには、社員・組織のマネジメントを大きく変革する必要があります。

社員の自律力を高めるマネジメントは、企業・組織としての方向性を示し、社員に浸透させること、そして、社員が「常に考える」、「自分の意志で行動・チャレンジする」、 「自ら成長したい」というような環境をつくるのです。
そのために社員は、管理者と社員の信頼関係だけでなく、社員間の信頼関係、経営への信頼の醸成も重要です。

さしすせそマネジメントを実現するための手段は、

  • GIコミュニケーション(コミュニケーションの改革)
  • 見える化(さまざまな判断ができるような情報の共有化)
  • 場づくり(社員の改善や提案を促し、生かす場・しくみづくり)
です。
この3つを試行錯誤しながら、管理者自信そして社員の行動や発言のレベルアップを図っていきます。


コミュニケーションの改革・・・GIコミュニケーション

組織風土改革の基本はコミュニケーションです。
人はコミュニケーションによってさまざまな影響を受け、成長のきっかけを見つけたり、一方で自律力を失うこともあります。
すべての社員が前向きに考え、自ら行動・チャレンジをしたいと思えるようなコミュニケーションをするためには、成長と改革を常に意識したGIコミュニケーション (G:成長:Growing、I:改革:Innovation)を導入します。

図2GIコミュニケーションは、フラットな関係で本音で行うGIミーティングだけでなく、組織として意思決定を行うGI朝礼・終礼、GI方針会議から構成されます。
GIコミュニケーションを通じて、企業理念の浸透、自律力の向上、信頼関係の強化を行い、改善や提案のネタ出しや改善や提案の実施に向けた意思決定を行っていきます。


見える化(共有化)の推進

企業においては経営、マネジメント、一般社員、非正規社員といった立場の違いがあり、それぞれの立場で目にする情報も異なっています。
目にする情報が異なるので、感心ごとも異なれば、同じテーマについても判断が異なるのは当たり前のことです。

経営者の立場に立てば、「社員は自分の仕事の範囲でしかものごとを見ないで、会社全体のことを考えられない」などとイライラすることもあります。
一方、社員にしてみれば、「経営陣は現場のことを全く分かっていないで、方針を出す」とグチをこぼすこともあります。
このように、立場の違いで目にする情報が異なるので、お互いに分かり合うことが難しく、信頼関係を損ねることにもつながってしまうのです。

図3社員には可能な限り、経営やマネジメントで扱う情報をわかりやすいカタチで提供し、経営やマネジメント側には現場の情報を提供していきます。
共有する情報は、システムを使って共有するというのではなく、可能な限り「意識しないでも目に入る」カタチで見える化を図ることが重要になります。


社員の改善や提案を促し、生かす場・しくみづくり

図4企業理念の浸透、社員の自律強化、信頼関係の強化を職場における日常的なマネジメントに任せることもひとつの選択肢ですが、マネジャーの能力に依存してしまいます。
また、部門横断的な改善や提案を活性化させるためにも会社として場・しくみをつくることが有効です。

会社としての場・しくみづくりは、社員の自律的な行動のステージに応じて検討し、各ステージに合わせたしくみをつくることがポイントになります。



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